人生ハナモゲラ

人生なんて、世界なんて無意味。それでいい。それがいい。

スピッツ

今日はスピッツという日本のロックバンドのデビューアルバム『スピッツ』について書こうと思う。

 
1991年3月、スピッツはメジャーシングル『ヒバリのこころ』でひっそりとデビューした。今から25年も前のことだ。そしてデビューシングルと同時にリリースされたのが1stアルバム『スピッツ』だ。1991年というのはNirvanaの『Nevermind』、My Bloody Valentineの『Loveless』、Teenage Fanclubの『Bandwagonesque』、U2の『Acton Baby』そしてDinosaur. Jrの『Green Mind』といった名高いアルバムがリリースされた年だと思うと感慨深い、気がする。
 
1995年の11枚目のシングル『ロビンソン』で大ヒットするが、デビュー当時は世間では全く認知されなかったようだ。
 
このアルバムは、キラーチューンがあるというわけではないが、1曲も駄作がない。ロビンソン以降のスピッツのような、大衆受けするポップも、疾走感のあるロックもないが、ただのマニアックな音楽ではない。安っぽくはないのに、”インディーズ感”を感じる。統一感があって、スピッツの中で最もアルバム全体として聴くに値するアルバムだと個人的には思っている。
 
スピッツの曲調やボーカルの草野マサムネの歌声は変わらず美しい。素朴でちょっとエロチックでそして、毒がある。いや、歌詞だけならば、かなりと言ってもいいのだが、彼の言葉選びが絶妙でトゲがない。だからなんだか可愛らしく聞こえる不思議な歌詞だ。
 
M11のうめぼし。うめぼしというのはおそらく女性の乳房にあるあれの比喩であろう。どうも僕が言うといくら婉曲しても、いやらしさが残ってしまうのが哀しいところであるが、草野マサムネが「うめぼし食べたい」といくら歌ってもまったくエロく感じないのが不思議だ。彼の歌声、人柄、すべてがそうさせていると思う。「君のおっぱいは世界一」といくら叫んでもそう感じさせない程であるから当たり前かもしれない。
 
分かりやすい比喩ばかりではなく、むしろほとんどが難しい比喩だ。M10の夏の魔物は夏になると、というよりも、夏を想いだしたくなるとつい聴いてしまう曲である。
幼いだけの密かな 掟の上で 君と見た 夏の魔物に会いたかった
夏の魔物」が何を指すかよくわからない。2人が会いたかったけど、会えなかったもの。なんだろう。赤ちゃんかなあ。わからない。。。ただどことなく切ない歌詞とメロディーがなぜか心に沁みる。解釈は色々あれど、そのあいまいな歌詞が余計にそうさせるのかもしれない。
 
もちろん『三日月ロック』も『フェイクファー』もいいけど、やっぱりニノウデの世界から聴いてみてほしい、と僕は思う。
 
最後に、僕はスピッツのカバーはあまり聴かない(聴きたくない)んだけど、小島麻由美夏の魔物はいいなあと思ったので、あえてカバーを貼って終わりにする。スピッツ夏の魔物は若くて青いけど、小島麻由美のカバーは、もう少し大人になってから、13年前の夏の終わりを想起している、そんな感じがするのだ。