人生ハナモゲラ

人生なんて、世界なんて無意味。それでいい。それがいい。

ハンドルを放す前に

 先日の1月22日日曜日、umeda AKASOにてOGRE YOU ASSHOLEのワンマンライブを見てきた。OGREのライブに行くのはこれで7回目なるのだが、実はワンマンは初めてだった。しかしOGREこそワンマンだった。本当に素晴らしいライブだったので、帰りの阪急でメモ帳に書きなぐったものをここで清書してみようと思う。

 

今まで見に行ったOGREのライブ。

 筆舌に尽くし難いほど素晴らしかった。最高。これほどまでに、骨の髄まで、心の奥底まで、染み込むような、そしてこんなにも神秘的で、洗練された美しいライブを見たのは初めてだった。2時間があっという間に過ぎていた。とても濃密な2時間だったと思う。全てが有機的につながっている一つの作品のようであった。

 終始リラックスしながらほぼ一番後ろから彼らを見た。会場全体が思い思いの形で揺れる姿が見える。後からみんなが恍惚としているのが伝わってくる。そして自らもさらに恍惚としてしまう。空いてはいないが、混雑はしているのでもなく、人を押しのけて前に行く人はいない。誰もがこの素晴らしい空間を保とうと、秩序が守られた整然とした空間だった。まるで真空状態にいるような、そんな錯覚を覚えた。その真空状態の中で時折目をつぶる。そしてまたうっとりする。このまま溶けてなくなってしまいそうになる。 

 umeda AKASOというハコ、照明、そこにいる人たち、そしてOGRE YOU ASSHOLE。すべての要素が絶妙に相俟ってこの奇跡を作り出していたと思う。OGREは動と静がうまく調和している。元々は「動」の音楽だったが、『homely』以降、急に「静」の音楽をつくるようになった(と、勝手に言っている。homelyを聴かずに行った多摩美芸術祭でのトクマルシューゴとの対バンの衝撃は忘れられない)けれど、あれから5年、それまでの「動」の音楽と、「静」の音楽が見事に融合した音楽だった。「静」の音楽と言っても、それは時にかなりの轟音なのだが、全くうるさくなく、なぜかうっとりしてしまう。この一文にだけでも何重にも矛盾のあるような気がするが、それがこのバンドなんだと思う。なんだかとても不思議である。

 長々と色々なことを書いたが、時に言葉は無力である。あのライブの良さを1%も伝えられてはいない。もはやそこに言葉はいらないのかもしれない。ああ、なんて素晴らしいバンド、素晴らしいライブ、素晴らしい音楽なんだろう。ため息が出てしまう。